日向神のマルチピッチルート

 九月前半はこまめに鳥栖の四阿屋(あずまや)に。池田や北村美代子(昭58文)や白岩などと来ているが、松井敏雄さん(昭42工)もよく通われていて(百数十回!)華麗なムーヴを披露してくれる。この日もそこに行こうと思っていたら、山本靖人(昭63工)から「日向神のロング、どうですか」との誘い。彼は就職で福岡を離れる前に、登り込んでおきたいようだった。

 黒岩右ルート: 9月23日、山本リードで。3P。正式名称は定かでないが、初登は福岡山の会。黒岩はダムに着く前のトンネルの手前から左に見える岩。ダムの畔に駐車、黒岩トンネルを引き返し、向かって左の踏み跡をたどる。1Pは10mほど登り、5m程度のハングの人工。ピンが近いので見た目より易しい。2Pはフリーらしいが、乾いた黒い苔が一面に覆っていて、ホールドも脆い所が。人工を多用し木の生えたテラスまで。3Pはランナウトの長いトラバース後直上。5級+程度か。そこを抜けると4級程度。ランナウトがかなり長いが、日向神の上部に特徴的な浅いポケットを使って、快適なフリーが楽しめた。立木で終了。全体的にボルトが浅打ち。左ルートもあるとのこと。

 スーパーヒーロー: 9月25日に、山本、久留米大学山岳部OBの西田さんと途中まで登った。山本リード。取り付きは正面壁のロングルートが集中しているバーカーエリア(cf.『岩と雪』156号、1993-2)。本来は6~7P, 200mで抜けるとのこと。1Pは40mらしいが、20mで切って1Pに(5.9?)。2P-5.10a最後がかぶっている。3P-5.10b?最後の小ハングが核心。4Pは途中のフレーク状のレイバックにフレンズが幾つか必要(5.10c?)。更に5Pはかぶった黄色い壁で、5.10dから5.11の前半はあったと思われる。最盛期には5.12をリードしていた山本だけあって、危なげないリードを見せてくれた。西田さんもかなり上手だが、僕は上部でフォールしまくった。6Pは人工で始まったが、上部のフリーは苔がひどくピンも遠いとの山本の報告で、ラッペルで下降。徐々に渋くなっていくので、適当なピッチでラッペルするとよい。前回は3ピッチでラッペルした。50mザイル2本必要。トップロープも出来、ラリーグラスの岩崎さん夫妻が1Pをショートで楽しんでいた。

とにかく日向神には結構登っていないマルチピッチがあり、まだまだ興味は尽きないところである。




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